2011年12月18日日曜日

ヨナス・カウフマン、ルネ・パーペ、マリウシュ・クヴィエーチェン出演の「ドン・カルロ」(2012年1月バイエルン)がLive streaming されます!

2012年1月のバイエルンの「ドン・カルロ」がすごそうだな、と思っていたのですが、

Philipp II, König von Spanien René Pape
Don Carlos, Infant von Spanien Jonas Kaufmann
Rodrigo, Marquis de Posa Mariusz Kwiecien
Der Großinquistor Eric Halfvarson
Ein Mönch Diogenes Randes
Elisabeth von Valois Anja Harteros
Die Prinzessin Eboli Anna Smirnova
Tebaldo, Page Elisabeths Laura Tatulescu
Der Graf von Lerma Francesco Petrozzi
Ein königlicher Herold Kenneth Roberson
Stimme vom Himmel Evgeniya Sotnikova
Flandrische Deputierte Tim Kuypers

(公式から持ってきたら、役の表記がドイツ語でちょっとおもしろい)
ドイツだからWEBラジオで聞けるんじゃないかな、と思っていたら、なんとWEB上で Live streaming するようです!

bayerische.staatsoperのニュースページ

パーペのフィリッポにカウフマンのドン・カルロ・・・これは実現しなかったMET来日公演の「ドン・カルロ」と一緒だ(あと、演目違うけど今やってるMETのFAUSTもこの組み合わせ。人気あるなぁ)

公式でもファーストクラスキャスト(!)とかいってる。

The production has a first-class cast, with René Pape as King Philip II, Jonas Kaufmann as the Infante of Spain and Anja Harteros in the role of Elisabeth de Valois. The conductor is Asher Fisch.

(せっかくなのでここにポーザ侯も入れてくれてもいいのにな。まあ、あんまドイツの歌劇場には出てないからな。出ても金髪のドン・ジョヴァンニとかだったし仕方ないか)

再演ですが、プロダクションそのものの評価は悪くなかったようだし(ちゃんとリハーサルさえすればすばらしいものになったのに、とIntermezzoに書かれてますけど、ちゃんとやってもどうしようもないといわれるよりはよほど期待できると思います。つーか前回はトーマス・ハンプソンだったのか、そーかそれはちょっと大変だなぁ。
intermezzoによる2010/07のdon-carlo-munich評はこちら

個人的にはロドリーゴに注目しています。
パーペ、カウフマンはけっこう、「ドン・カルロ」にはいろいろなところで出てますけど、クヴィエーチェンにとって、ポーザ侯ロドリーゴは新しいレパートリーなので(もしかしたらロールデビューかもしれない。すごく昔にCDでロドリーゴの死の場面を歌ったことはあったけど)

彼がこの役をどんな解釈で演じるのかが楽しみなのがひとつ。
もうひとつの楽しみは、カルロよりロドリーゴが若く見えると、オペラ全体にどう影響するか。
私がこれまで見た「ドン・カルロ」では、歌手本人の年齢も劇的な役割も、カルロに対するロドリーゴは兄貴分なものばかりだったので(2011MET日本公演でヨンフン・リーと組んだときのホロストフスキーにいたっては、もはやお兄さん通り越してお父さんだったもんなあ。存在感とか安定感とか)
ちなみに実際の年齢も、クヴィエーチェンのほうがカウフマンよりちょっとだけ若く(といっても3歳差なので大して変わらん)、たぶん背もちょっとだけ小柄なんじゃないか(背丈でドイツ人にかなう気がしません)と思うので、どんな風になるか楽しみです(こういう細かいこと気にしてるのってたぶんオペラ歴が浅く演劇的な表現に気が行くからなんでしょうね)

超見たい!(けど私この時期、わたしインド出張の帰りの日かも知れない・・・飛行機に乗ってたら見れないな。なんとかならんか)

ロドリーゴって一般には男の中の男、ということになっているし、音楽的にはそれで納得なのですが、演じる側としてはやりにくいだろうな、といつも思いながら見ています。(シェイクスピアの「ハムレット」におけるホレーシオが劇的な要請で作られたキャラクターなのと近くて)ほかのキャラクターと比べると人間的な書き込みはちょっと少なくて、役割重視で書かれていると個人的には感じます。ひたすら熱く演じるだけだと革命バカみたいになって残念だし、人間的に演じようとするには、役作りのヒントになるような彼の個人の生活みたいなものがほとんど書き込まれていないし。書かれていることだけだと、カルロのことが大好きなように見えるけど、そういうふうにやってる人は意外と見たことないし・・・。
これらを踏まえて、年齢的な要素や、相手とのケミストリーも含め、クヴィエーチェンによる説得力のあるロドリーゴ像が提示されたらおもしろいな、とは思うのですが。
(しかし友情の二重唱にしろ、容赦なくエボリを切り捨てようとする場面にしろ、楽しみだなあ。フィリッポとの対決はすごくいいだろうからすごく見たい。)
この機会にドンカルロ、もう少しいろいろ見ておきたい気分になってきました。

とりあえず続報と批評に注目しておきたいと思います。
詳細は追って発表されるそうなのでお見逃しなく!

2011年12月10日土曜日

【追記あり】Mariusz Kwiecien の初めてのソロアルバムが出ます!

【追記】amazon.co.jpでの予約注文が開始しました。  ←ここから飛びます(2011.12.22追記)

ポーランド出身のバリトン、Mariusz Kwiecien (マリウシュ・クヴィエチェン、マリウス・キーチェン)の初めてのソロアルバムが出ます!


しかも内容がすごい!
Slavic Heroes というタイトルもすごいが、収録曲もすごい。

TCHAIKOVSKY Eugene Onegin, Iolanta, Mazeppa
RACHMANINOV Aleko
SMETANA Certova stena
MONIUSZKO Halka,
Straszny Dwór / The Haunted Manor,
Verbum Nobile / The word of a nobleman
DVORÁK Šelma sedlák / The Cunning Peasant
RIMSKY-KORSAKOV Sadko
BORODIN Knyaz’ Igor’ / Prince Igor
SZYMANOWSKI Król Roger / King Roger

なんでしょう、このレア感。
スラブ圏のバリトン(一部バス)アリア一網打尽ですね。

というか、ソロリサイタルではこういうラインナップを歌ってるらしい。そうだったのか。
個人的にはEugene OneginとKing Rogerが入っていてうれしい。

クヴィエーチェンのファンだけでなく、スラブ圏のオペラ好きな方にも訴える、なかなか渋めでクレバーなアルバム作成だと思います。オケがポーランド放送交響楽団というのも、この場合は逆に本場感があっていい感じではないでしょうか。

発売元のHarmonia Mundiってわたしはあまり聞いたことのないレーベルでしたが、DECCAとかに大々的に作ってもらうよりいいような気もします。

ここで試聴できます
http://ukstore.harmoniamundi.com/slavic-heroes.html

発売は2012年1月9日とのこと。

日本では、いまのところHMVオンラインが予約を受付中です
(さすがHMV、きちんと日本語で解説もついてて感激!)

HMVの「スラブ・オペラのヒーローたち」

【追記】その後、取り扱いが増えました(2011.12.22追記)

Tower Recordsの「スラヴ・オペラのヒーローたち」
amazon.co.jpのSlavic Heroes
amazon.co.jpからSlavic HeroesをMP3でも買えます(2012/1/24発売予定)

これだけモーツァルト&ベルカントバリトンで鳴らしているのだから、ソロアルバム1枚目はGreat Baritone Ariasかと思いきや、そうじゃないのね。
ちなみに、クヴィエーチェンの有名アリアにご興味ある方には、こんなCDもあります



(このタイトルとジャケはさすがにちょっとやっつけすぎやしないか、といつも思う)

若手オペラ歌手5人で録音しているのですが、METの「ドン・パスクワーレ」でも共演したマシュー・ポレンザーニと真珠採りのデュエットを歌っていて、これがとってもいい感じです。
ほかにも「ドン・カルロ」のロドリーゴの死のシーンや、「清教徒」のジョルジョとリッカルドのデュエット、もちろん「ドン・ジョヴァンニ」のお手をどうぞ等、これぞバリトンな曲を歌っているので、ご興味あればぜひどうぞ。
(ジャケから想像できるとおり、)非常にお求めやすい価格となっております。

amazon.co.jpのA Night at the Opera

HMVのA Night at the Opera

試聴はこちらから↓

amazon.comのA Night At The Opera

2011年12月9日金曜日

Teatro alla Scala のPremiere の DonGiovanni はなんかすごかった(Dec. 7. 2012.)(リンク先でPeter Matteiの舞台写真見れます)

日本時間の昨夜、ミラノスカラのプルミエ、ドンジョヴァンニの日でした。
やっぱりネットラジオ中継があったので、とりあえず聞いてみた。
中継局はいくらでもあるのに、なぜかバイエルン放送にしてみた。
非常に音よく聞けて満足。たまーに途切れたけど、まあ、仕方ない。

それでですね、今回の主なテーマは、実は内容じゃないのだ。
(内容は年末にテレビでも見れるし、カーセンの演出がとってもよかったらしいので、たぶんテレビ見たら、またいっぱい書いちゃうだろうしね)
ひとことだけ言うなら、マゼット重くね?と思った。誰かと思ったらコーツェンでした。
つい最近、騎士長やってたしなあ。なぜかこの人は老け役が多いからな。
大審問官とかもやってたもんな。あれもピンとこなかったが、マゼットもピンとこないかも。

さて、本題。
今日の記事の主役は @teatroallascala  さん。
そうなんです、あのスカラが、この秋からツイッター始めたのです。
なんとなくフォローしてたのですがこのアカウントのプルミエの荒ぶり方が尋常じゃなかった!

1、まず、公演の2時間前に楽屋口に潜入して、楽屋のドアの写真とかアップしてる
2、やってきた歌手のみなさんの写真をアップしてる(いいのか?)
3、メイクルームでお化粧してる歌手の皆さんの写真までアップ(いいのか?)
4、市長がきたとか首相がきたとかツイート
5、マエストロバレンボイムがピットへ、とツイート
6、イタリア国歌のために全員起立、とツイート
7、そして禁断の・・・・・

舞台写真キタ━━━(゚∀゚)━━━!!

まさかTwitterで、オペラの実況中継(写真付き)ですよ!

もうびっくりした!

Peter Mattei など、歌手のみなさんの舞台姿が垣間見れるなんて!

ラジオで聞いてたからすごい嬉しかったけど。

というわけで、トゥギャってみました。

#DonGiovanni @teatroallascala on twitter 2012

自分がまとめて見たかったから作ったけど、やはりなかなか見ごたえある仕上がり。
よかったら見てみてくださいね。
ミラノスカラのTwitterは本気出すとすごいぜ、という話でした。

2011年12月2日金曜日

クリスマスはNHK-BSで6夜連続「華麗なるオペラの世界 ミラノ・スカラ座」

つーか、こんなしょぼいブログで 続く、とかやってすいません。
もったいぶったわけではなくて、もう眠くて眠くて書ききれなかったのです。

(昨日の記事まとめ
2011年12月のミラノ スカラのオープニングナイトはすごい。
そしてそれは12月26日にNHKーBSで見れる)

そこから芋づる式で分かった情報がこちら

クリスマスはNHK-BSで6夜連続「華麗なるオペラの世界 ミラノ・スカラ座」!

どういうことかというと、
26日の「ドン・ジョヴァンニ」
(12月26日(月)【25日(日)深夜】 午前0時~4時 ※特別編成)を皮切りに、
6夜連続でミラノ スカラのオペラが放映されるのです!
気になるラインナップはこちら。

12月27日(火)0:30~2:30
歌劇「オルフェオ」(モンテヴェルディ)
指 揮:リナルド・アレッサンドリーニ
演 出:ロバート・ウィルソン
出 演:ゲオルグ・ニール
ロベルタ・インヴェルニッツィ ほか

12月28日(水)0:20~3:20
楽劇「ラインの黄金」(ワーグナー)
指 揮:ダニエル・バレンボイム
演 出:ギー・カシアス
出 演:ルネ・パーペ
ヤン・ブッフヴァルト
ヨハネス・マルティン・クレンツレ ほか

12月29日(木)0:20~4:20
楽劇「ワルキューレ」(ワーグナー)
指 揮:ダニエル・バレンボイム
演 出:ギー・カシアス
出 演:サイモン・オニール
ワルトラウト・マイア
ニナ・シュテンメ ほか

12月30日(金)1:00~3:40
歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」(マスカーニ)&
歌劇「道化師」(レオンカヴァルロ)
指 揮:ダニエル・ハーディング
演 出:マリオ・マルトーネ
出 演:ルチアーナ・ディンティーノ
サルヴァトーレ・リチートラ
ホセ・クーラ ほか

12月31日(土)1:00~4:30
歌劇「魔 笛」(モーツァルト)
指 揮:ローラント・ベーア
演 出:ウィリアム・ケントリッジ
出 演:ギュンター・グロイスペック
サイミール・ピルグ
ゲニア・キューマイア ほか

とりあえず、何が気になるってリングでしょう!
まだサイクルが完成してないのにテレビで見れるとか信じられないなあ。
撮って出しみたいなもんじゃん。

ああもう今から楽しみ。

2011年12月1日木曜日

2011年12月、スカラ座オープニングナイトのドン・ジョヴァンニはめちゃめちゃ豪華

さて、もはや方々で話題になっているので、私が書くまでもないのですが、ミラノ スカラのオープニングナイトがすごいことになっております。見てよこのキャスト!なんなんだこれは。よだれがでそうだ。
Don Giovanni
Peter Mattei
Il Commendatore
Kwangchul Youn 
Donna Anna
Anna Netrebko 
Don Ottavio
Giuseppe Filianoti 
Donna Elvira
Barbara Frittoli 
Leporello
Bryn Terfel 
Zerlina
Anna Prohaska
Masetto
Štefan Kocán
ネトレプコはこれがスカラ・デビューらしい。個人的には世界で一番好きなジョヴァンニのひとり、マッティがこんなに注目を集める演目でジョヴァンニをやるのが嬉しいです。マッティよかったねえ。伊達にクリスマスアルバムばかり3枚も出してたわけじゃなかったんだね。(注)

(注)なぜかマッテイはクリスマスアルバムばかり出しています(スウェーデン人であってフィンランド人じゃないんだけどなあ)が、そのうち一枚は比較的新しく、予約もできますし、ダウンロード販売なら今すぐでも買えるようです。
あと、古い方のクリスマスアルバムで良ければ、東京23区内で唯一、目黒区の図書館の蔵書に入っております。偉いぞ目黒区!私もほとぼりが冷めた頃(年明けでしょうかね?)に、借りに行きたいと思います。

ちなみにこのオープニングナイト、アメリカなどでは、映画館で生中継されるそうですが(いいないいないいな!)ここ、日本でも、TV放映が決定したようです。

12月26日(25日深夜)にいち早く放送とのこと。
というか、これ調べてたら芋づるで出てきたのがさ・・・
(次回に続く)