2011年11月28日月曜日

モンテヴェルディ: 「ポッペアの戴冠」(一橋大学兼松講堂, Nov. 27, 2011)


モンテヴェルディの「ポッペアの戴冠」を見て来た。
オペラを上演する際、セットも衣装も用意するフル上演と、歌だけを聴かせるコンサート形式の上演があるけれど、最近はコンサートホールなどで衣装と演技は付けるけれどセットはなし、というセミ上演みたいな形式がわりと増えている。
今回のポッペアもそういう形式。サントリーホールでいうところの「ホールオペラ」形式である。

初めて見たバロックオペラだったので、色々と新鮮。
各幕の前に、礒山 雅先生による解説があって、すごく理解しやすい。
というか、これは磯山先生と渡邊順生さんが熱心にすすめているプロジェクトだと感じた。

あらすじは(要約すると)
天上で幸運の神と美徳の神が争っているところに愛の神が現われ「わたしの影響力がもっとも強い。それを知ることになるだろう」と歌う。
ローマ皇帝ネロ(ネローネ)に美女ポッペアが取り入り、ネローネは公妃オッタビアとの離婚とポッペアとの結婚を決意し、それを愛の神が支援し、最後はうまくいくという、(珍しく説教くさくない)オペラです。

オペラ全体の感想として、まず声が高い!普段、ヴェルディとかワーグナーとかロシアオペラとか聞いている耳には、とにかく声が高い。 セネカが死を決意するシーンなんて、バス一人にテノール三人でかぶせるんですよ。なんだか新鮮な響き。

あと(これは作品の特徴なのか、ちょっとわからないけれど)歌詞が聞き取りやすい。使っているイタリア語がシンプルなのかもしれません。
歌声はみなさん美しく、どの方が、とかいうのもはばかられるほどですが、私個人としては、皇妃オッタヴィアの高橋織子さんと、高くて澄んだ美しいテノールを響かせた葛西健治さんと、乳母アルナルタの押見朋子さんが印象に残りました。ネローネの内之倉勝哉さんは舞台姿も美しく、友人は一番好きな声だ、と褒めていました。

モンテヴェルディ:オペラ《ポッペアの戴冠》

2011年11月27日(日)14時開演(開場13時30分)
一橋大学兼松講堂(JR国立駅南口徒歩7分)

櫻田智子、高橋織子、阿部雅子、西村有希子、安田祥子(ソプラノ)
布施奈緒子、湯川亜也子、押見朋子(メゾ・ソプラノ)
葛西健治、長尾譲、内之倉勝哉(テノール)
小田川哲也、狩野賢一(バス)・・・・・登場順

オーケストラ:ザ・バロックバンド
ヴィオラ・ダ・ガンバ:平尾雅子
リュート:金子 浩
指揮とチェンバロ:渡邊順生

監修・解説:礒山 雅
演出:舘 亜里紗
音楽アドバイザー:櫻田 亮

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